はじめてのCI/CD~自動化が変えるソフトウェア開発の世界~
はじめに
みなさんは普段、スマートフォンのアプリやパソコンで使うソフトウェアがどのように作られ、どれくらいの頻度で更新(アップデート)されているか考えたことはありますか? たとえばLINEやTwitter、YouTubeなど、私たちが日常的に利用するサービスはとても頻繁に新しい機能が追加されたり、バグ(不具合)が修正されています。実は、その「アップデート」をできるだけ速く、かつ安全に届けるための仕組みとして、いま多くの企業や開発チームがCI/CDという方法を取り入れています。
このCI/CDは「継続的インテグレーション(Continuous Integration)」と「継続的デリバリー・継続的デプロイメント(Continuous Delivery / Continuous Deployment)」の略称です。最初に聞いたときは「なんだか難しそう……」と感じるかもしれませんが、この考え方を知ると、「ソフトウェアをどうやって速く、安心してリリースし続けるか」という開発のコツが見えてきます。
この記事では、プログラミング初心者や、まだソフトウェア開発の現場をイメージしづらい方、でも理解しやすいように、できるだけわかりやすくCI/CDの世界を説明していきます。具体的には
- CI/CDって何をする仕組みなの?
- どんなメリットがあるの?
- 主なツールにはどんな違いがある?
- うまく活用するためのベストプラクティスや事例は?
- セキュリティや最新技術との関係は?
といった疑問にじっくり答えていきましょう。
内容はやや長めですが、途中で実際のイメージや具体的な例を交えながら解説しますので、ぜひ「ソフトウェア開発の裏側」をいっしょにのぞいてみてください。
第1章:CI/CDとは?
1.1 CI/CDの意味
CI/CDは、
- CI(Continuous Integration / 継続的インテグレーション)
開発者が書いたプログラム(ソースコード)をこまめに取り込み(インテグレーション)、そのたびに自動でビルド・自動テストを走らせる仕組み。 - CD(Continuous Delivery / 継続的デリバリー or Continuous Deployment / 継続的デプロイメント)
CIの結果を受け取ったあと、本番環境(実際にユーザーが使う環境)へリリースできる状態を常に維持する仕組み。- 継続的デリバリー:本番にリリースする前の段階までを自動化し、最終的なリリースは人が判断して実行する形
- 継続的デプロイメント:テスト合格後は自動で本番リリースまで行う形
この2つをあわせて「CI/CD」と呼びます。
さらに噛み砕いてみると、
- プログラマーがコードを変更する
- 「プッシュ」や「プルリクエスト」などでリポジトリに変更を送る
- 自動でビルドやテストが動き、異常があればすぐに通知される
- 問題がなければステージング(テスト用の環境)や本番環境にデプロイされる
という一連の流れ(パイプライン)を自動化するイメージです。
たとえばスマホのアプリ開発チームを想像してみましょう。新しい機能を作ったり、バグを直したりするとき、開発者はその変更をすぐにCI/CDパイプラインに流します。そうすると、
- 新機能を追加したバージョンがビルドされて、ちゃんと動くか自動でテストされる
- バグがちゃんと直せているかチェックされる
- 問題がなければステージング環境や本番環境にアップデートされる
これらの作業を、人が一つひとつ手動でやるのではなく自動化するのがCI/CDのゴールです。
