アメリカ MBA で学ぶディシジョンツリー超入門
きたたく
「家は賃貸?購入?」「宝くじを買う?買わない?」――毎日のようにぶつかる“選択の分かれ道”を、図と数字でスッキリ整理できる考え方がディシジョンツリー(Decision Tree)です。
目次
1. ディシジョンツリーって何?
1-1. 分かれ道を「木」にする
ディシジョンツリーは、選択肢と起こりそうな出来事を枝分かれで描く図です。MBA の授業では
- ■ 四角いノード=自分が決めるところ(決定ノード – 意思決定者が選択する分岐)
- ○ 丸いノード=運に左右されるところ(チャンスノード – 確率に従い事象が分岐)
と教わります。
1-2. なぜ便利?
- 頭の中を可視化:複雑な選択を1枚に整理。
- 数字で比較:それぞれの枝に「期待値」というスコアを付けて最善を選べる。
- 情報の価値が見える:追加調査すべきか、費用対効果で判断できる。
2. 期待値(EMV)を計算しよう
2-1. 期待値って?
サイコロで「出た目×100円」をもらうゲームを想像してみよう。
- 出目 1〜6 は同じ確率(1/6)
- もらえる平均額=(1+2+3+4+5+6)/6 ×100=350円
この「平均的に期待できる数字」が期待値(Expected Monetary Value, EMV)。
2-2. ビジネス例
「工場を拡張する?しない?」の例があります。低需要70%・高需要30%として――
| 代替案 | 低需要の利益 | 高需要の利益 | EMV |
|---|---|---|---|
| 何もしない | 50 | 60 | 53 |
| 拡張する | 20 | 80 | 38 |
| 外注する | 40 | 70 | 49 |
EMV が最大の「何もしない」 が最適、という結論になります。
3. 感度分析:確率がズレたら?
「もし高需要の確率 p が 0.5 だったら?」と確率を動かし、EMV の交点を探すのが感度分析です。最適案が入れ替わる境目の周辺にいるなら、「追加リサーチをする価値が高いかも」と判断できます。
EVSI(情報価値)=調査後の最適 EMV − 調査なしの最適 EMV がプラスなら調査実施!となるわけです。
5. ディシジョンツリーのつくりかた 5ステップ
| ステップ | やること | コツ |
|---|---|---|
| 1. 目的を決める | 「利益を最大化」など | ゴールを書き出す |
| 2. 代替案を書く | 四角ノード | 全部 洗い出す |
| 3. 不確実事象と確率 | 丸ノード | 合計 100%になるように |
| 4. アウトカムを書く | 利益・損失など | 単位をそろえる |
| 5. 後ろから計算 | 末端 → 根へ EMV を伝搬 | 「途中で四捨五入しない」ルール |
6. ツールとテクニック
- Excel QM / QM for Windows を使うとノード描画と自動計算が簡単です。
- 手書きでも OK。色ペンで「決定=青」「確率=赤」など分けると見やすい。
- 変数名や単位は必ず定義しましょう。
7. ミニゲームで練習
7-1. ガチャガチャゲーム
- 100 円でガチャを引くと
- 70%で「N(ノーマル)」=転売 50 円
- 25%で「R(レア)」=転売 150 円
- 5%で「SR(スーパーレア)」=転売 800 円
- EMV=0.7×50+0.25×150+0.05×800=132.5 円
- ガチャ1回あたり ‐(100−132.5)=+32.5 円 の期待利益!
実際は転売コストなどを引く必要がありますが、まずは「確率×結果」の足し算を体験してみよう。
9. よくある質問 Q&A
| Q | A |
|---|---|
| 確率が分からないときは? | まずは過去のデータや専門家の意見で“ざっくり”で OK。あとで感度分析でズラしてみれば影響の大きさが分かります。 |
| 確率が3つ以上でも描ける? | はい。丸ノードから3本、4本と枝を出せば OK。ただし全部合わせて 100%になるよう注意。 |
| 途中で選択肢を追加したら? | そのノードから新しい枝を生やすだけ。ツリーは後から拡張しやすいのが利点です。 |
| 数字が大きくて計算が面倒! | EMV は「全部を 1000 円単位」にそろえる、Excel で SUMPRODUCT 関数を使うなど工夫しましょう。 |
10. まとめ 〜“運まかせ”を“戦略”に変える
- ディシジョンツリーは 図 と 期待値 で選択を見える化するツール。
- 5ステップで誰でも描ける。
- 感度分析や EVSI で「もっと情報を集めるべきか?」まで判断できる。
数字と図を味方につければ、「なんとなく」で後悔する選択はぐっと減るはず。
明日の選択から、さっそく“分かれ道マスター”になってみませんか?
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